2016年4月3日日曜日

入道ヶ岳 アセビのトンネル

今回も花がテーマです。

この日はアセビ(馬酔木)を見るために、入道ヶ岳に登ります。
椿大神社を通過して、二本松尾根コースや井戸谷コースの登山口にある駐車場まで来ました。
既に数台の車が止まっています。
天気はくもりです。前日の雨はそれほど多くなかったので大丈夫でしょう。
気温はまあまあ暖かいです。
夏山仕様の服装で出発します。

この日は、「井戸谷コース」を登ります。
8時53分にスタートです。

先ず、舗装された急な道路を登ります。
この先にはキャンプ場があります。
この井戸谷コースはかなりの急坂箇所がたくさんありますが、
この坂が一番?キツイかもです。まだ身体が温まっていないので・・・。

5合目付近までに出会った花たちです。

ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)です。
ケシ科の多年草で有毒成分を持っているようです。


ヤマルリソウ(山瑠璃草)です。
ムラサキ科ルリソウ属の多年草です。
花の色が瑠璃色から和名の由来となっています。


ミヤマハコベ(深山繁縷)です。
ナデシコ科ハコベ属の多年草とあります。
花は小さくて、数mmくらいと思います。
花弁が10枚に見えますが、深く裂けた5枚の花弁なのです。

ヤマネコノメソウ(山猫の目草)です。
ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草です。
花の中で黒っぽく見えるのは”さく果”と呼ばれる実です。
この状態や実が熟してはじけた様子を”猫の目”に見立てたのが名前の由来のようです。

タチツボスミレ(立坪菫)です。
スミレ科スミレ属の多年草です。
鈴鹿の山々では一般的に見られる花ですね!

シキミ(樒)です。
常緑樹で春に花を咲かせます。
花びらは淡黄色で細長くて、ややねじれています。
葉の付け根から1つづつ咲くようです。
この木は根から花、葉、実にいたるまで全てに毒成分が含まれているようです。
なんか?この山には有毒成分を持つ植物が多いですね!

ここまでは谷の左岸を歩いてきましたが、ここで小さな川を渡渉して右岸を登ります。
川に右岸/左岸を知っていますか?
川の流れ方向(上流から下流)に見て、右左を決めます。
山登りの場合は下流から上流に見ると、左右が反対です。
なので、この場合は「左岸」から「右岸」となります。

ミノコバイモ(美濃小貝母)というユリ科バイモ属の花です。
一輪だけひっそりと咲いていました。
絶滅危惧種Ⅱ類(VU)となっていて、滅多に見る事が出来ない花のようです。
なので、詳しい場所は未公開にします。
花は斜め下を向き、鐘形で紫褐色の斑点の模様があります。
分布は愛知、三重、岐阜に限定されているようで、
花期は3月~4月の雪解け後になります。
来年に訪れるのが、今から楽しみになっています。

この日のお目当てのアセビ(馬酔木)です。
ツツジ科アセビ属の常緑低木です。
葉に毒がある有毒植物です。
症状には、麻痺や下痢、腹痛、血圧低下などがあります。
奈良公園では鹿がこの木以外の葉を食べるために、アセビが増えているとあります。

岩石帯を通り過ぎると、笹原になります。
この入道ヶ岳の特徴に1つにもなっています。
上部には少し白くなったアセビが群生しています。

振り返ると、谷超えに鈴鹿平野から伊勢湾が見えます。
昨日からの雲が取れていないので、霞んでいますが・・・。

井戸谷を登り詰めて、稜線に出ました。
北尾根コース(北の頭経由)との合流になります。

アセビの木の間(下)を潜っていきます。
誰が言い始めたのか?「アセビのトンネル」と呼ばれています。
一番有名なのは、北の頭から北尾根を少し下った付近にあります。
でも、ここでも十分に堪能できます。

10時10分に入道ヶ岳の山頂に到着です。
1時間15分ほどで登ってきました。
山頂には誰もいません。貸し切り状態ですが、海風が冷たいです。
写真だけ撮って、奥の宮に向います。

山頂の西側には窪地状の地形があり、登り返した場所に奥の宮があります。
写真にも小さな鳥居が写っています。
この前の小山一体がアセビの群生地になります。

奥の宮の手前周辺です。
ここもアセビがトンネル状になっています。

よく見るとアセビの色が木ごとに微妙に違うことに気がつきます。
この花は少し黄色掛った白でしょうか。

直ぐ隣りには、ピンク掛った花びらもあります。
白が普通で、淡い紅色はアケボノアセビと呼ばれるそうです。

奥の宮から北の頭方面へ行く道から鈴鹿の山々がよく見えます。
左の手前に鎌ヶ岳があります。頂上付近は雲の中ですが・・・。
その奥は御在所岳です。白い鉄塔はよく見えました。
更に奥が釈迦ヶ岳です。ツインの山頂と猫岳がきれいに見えています。

山頂付近に戻って、下界?を見ると、新名神高速道路の工事箇所が見えます。
あと3年くらいで新名神道路が出来上がるようです。

この日、山頂付近では4人の登山者と会いました。
その内の3人です。
2人組みは北尾根コースを登ってきました。
後ろの登山者は私と同じ井戸谷コースです。
休憩していたので、追い越してきました。
もう1人は私の後ろで着替え中です。
これから主稜線に出て、鎌尾根~鎌ヶ岳~雲母峰と周遊するそうです。

私は身体が冷えてきたので、着替えだけして下山としました。
帰りは二本松尾根コースです。
しばらく下って振り返ると、山頂付近の笹原がよく見えます。
山頂は左の方に鳥居が見える辺りです。右側のピークが北の頭となります。

昨日の雨でぬかるんでいて苦戦しましたが、中腹まで下りてきました。
小岐須渓谷方面との分岐です。
しばし休憩です。

下りの後半は、写真のような杉林の中を進みます。
私はこの場所がとても好きです。
3年くらい前の5月に雨の中にこの道と通りました。
花粉症持ちとしては、「杉」は天敵ですが、
何故か?この林は許せてしまいます。

この苔生した雰囲気が良いですね!
雨に濡れたしっとり感も最高です。

11時30分前に車に戻りました。
帰り道では誰とも出会いませんでした。



 おまけの写真を2枚!!
帰りに椿会館に立ち寄って、名物の「とりめし」を購入しました。
鶏肉の炊き込みご飯です。
この地方では、醤油ベースの炊き込みご飯を”味ご飯"と呼びます。
私の父親の在所では、牛肉を使った味ご飯でした。
椿会館(の食堂でも食べられる)の名物になっています。

会館から出てくる結婚式の一団を見掛けました。
椿会館(多分、披露宴会場)から椿大神社(つばきおおかみやしろ と読む)まで
約500mほどを巫女さん、新郎新婦が先頭になって歩いていきます。
後ろからは両家の親族が続いています。
椿大神社は「伊勢国一宮」であり、結婚式や交通安全/車両清祓が有名です。

もう1枚は、帰り道で道路をフラフラ歩いていた猫ちゃんです。
そのまま通過すると轢いてしまいそうだったので、手前で自動車を止めたら気付きました。
私が窓を開けてカメラを構えると、道端のガードレールまで後退して、こちらを見ています。
よく見ると、しっかり”睨まれて”います。ビックリさせてゴメンネ!

2週続けて山に登りました。
この日は2時間半ほどの軽い山行きです。
やっと筋肉痛が治まりました。
これからの1回/2週間くらいのペースで登りたいですね!


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